抄録
在宅介護支援センターにおける看護職が果たした役割を明らかにすることを目的とした.そこで,一在宅介護支援センターの一保健婦が4か月間に対応した全新規相談21事例について,援助が一段落するまでの期間に注目して,相談持ち込み者,主訴,かかわりの過程でわかってきたニーズ,働きかけの方法について分析した.その結果,13事例で,主訴とは別に新しいニーズを把握しており,その場合には,ほとんどの事例で訪問し,直接本人と面会していた.かかわりの過程でわかってきたニーズを,看護職のかかわりの有効性という視点で検討したところ,9事例で看護職がかかわった効果が確認できた.さらに,看護の有効性が確認できた9事例の働きかけの方法を調べ,その働きかけが,看護のどのような機能を活用していたことになるのかを分析した.以上のことから,支援センターの看護職が果たした役割として,(1)対象の思いや考えを理解して,支援の方向性を探る,(2)対象の自覚を促して問題を共有する,(3)看護技術を活用して質の良い問題把握をする,(4)個別性に応じた対応をするため,援助関係者と問題を共有する,の4つが明らかになった.4つの役割機能は,看護の究極釣な目的に沿った内容であると考えられた.