日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
小地域でのミニデイサービスにみる地域エンパワメント : コミュニティ・アズ・パートナーモデルを用いて
景山 真理子伊藤 智子森山 美恵子佐々木 順子
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2008 年 10 巻 2 号 p. 85-93

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抄録
【目的】K町では,2000年から地区ごとに介護予防・健康づくりを目的とした「地区ミニデイサービス事業」(以下ミニデイとする)を行ってきた.本研究は,小地域において継続的に行われているミニデイに注目し,コミュニティ・アズ・パートナーモデルを用いて,地域エンパワメントを検証することを目的とする.【方法】福祉協力員3グループにフォーカス・グループインタビュー(以下,FGIとする)を実施した.またミニデイの参加観察,ミニデイ関係者への半構成的面接および既存資料を参照し,実施した.【結果】コミュニティ・アズ・パートナーモデルを用い,地域をコアと8 つのサブシステムに分けた.そして,FGIで得られたすべてのデータをもとに,キーアイテムを抽出し,カテゴリー化していった.そして,モデルの枠組みを用いながら,分析を行いエピソードからストレッサーを導き出した.その結果,4つのストレッサーが挙げられ,それぞれに対する住民の反応をまとめていった.さらに,それぞれのストレッサーに対して住民が行ってきたさまざまな経過をたどり,住民たちの活動,行動について検討した.【結論】研究と分析を通し,小地域において継続的に行われているミニデイで,コミュニティがさまざまある困難なストレッサーに対し対処,解決していくことにより変化し,エンパワーされていっていると言えた.そして,コミュニティ・アズ・パートナーモデルはコミュニティ・エンパワメントのプロセスを示すうえで有用であると考える.
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© 2008 一般社団法人 日本地域看護学会
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