日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
電子メールを用いた生活習慣改善のための保健指導のあり方(第2報) : 長期的な効果を導くフォローアップ(地域看護活動報告)
尾﨑 伊都子小西 美智子片倉 和子
著者情報
ジャーナル フリー

2011 年 13 巻 2 号 p. 99-105

詳細
抄録
目的:個別面談とメールによる保健指導後に応援メールを定期的に送付して1年後の効果を把握し,行動変容の定着を支援するフォローアップのあり方を検討した.方法:研究対象はA企業B病院で人間ドックを受けた40〜59歳の男性勤労者11名で,「食事・運動・睡眠・節酒コース」「禁煙コース」の保健指導を行った.応援メールは2〜3カ月ごとに送付し,1年後の生活習慣病に関わる検査データの変化,禁煙継続状況と応援メールに対する返信内容からフォローアップのあり方を検討した.結果・考察:「食事・運動・睡眠・節酒コース」者の8名のうち7名が開始時の異常値をひとつ以上,改善し維持するか1年後までに改善することができていた.しかし,そのうちの5名は改善がある一方で,新たに異常値になったり逆戻りした検査データも混在していた.さらに成果を推進するためには,改善した好ましい生活習慣を維持できるよう支援する必要がある.また,行動変容を継続できない要因として,職場での宴席の増加,多忙,転勤などの環境の変化があった.長期的に健康習慣を維持できるよう支援するためには,個別的なフォローとともに,職場と連携し協働の生活習慣改善にむけた職場単位の健康教育も積極的に行っていく必要がある.「禁煙コース」者では禁煙継続だけでなく体重増加が長く課題になっており,食事や運動を含めて健康をトータルに支援していくことが必要と考えられる.
著者関連情報
© 2011 一般社団法人 日本地域看護学会
前の記事 次の記事
feedback
Top