日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
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地域包括支援センター職員のバーンアウトへの関連要因 : インフォーマル組織とのネットワーク構築業務に焦点を当てて
村山 洋史
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2011 年 13 巻 2 号 p. 125-132

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抄録
目的:地域包括支援センターの主要な業務の1つであるインフォーマル組織とのネットワーク構築業務に焦点を当て,バーンアウトへの関連要因を検討することとした. 方法:東京都S区の地域包括支援センターに所属する職員88名を対象にし,2009年5月に無記名自記式の質問紙調査を実施した.調査項目は,性別,年齢,職務満足感を含む個人要因,1週間の平均就業時間,ソーシャルサポート,インフォーマル組織とのネットワーク構築業務に関する項目を含む環境要因,およびバーンアウトであった.結果:有効回答は84票(有効回答率95.5%)であった.本対象者内で相対的に高程度なバーンアウト症状を2つ以上もつ者は,全体の約5分の1であった.バーンアウトの各症状を従属変数とした重回帰分析の結果,職務満足感が低いほど,1週間の平均就業時間が長いほど,インフォーマル組織とのネットワーク構築業務に対する難しさを感じているほど,情緒的消耗感得点が高かった.また,職務満足感が低いほど,上司からのサポート得点が低いほど,インフォーマル組織とのネットワーク構築業務に対する難しさを感じているほど,脱人格化得点が高かった.さらに,常勤であるほど,職務満足感が低いほど,インフォーマル組織とのネットワーク構築業務に対するやりがいを感じていないほど,個人的達成感得点が低かった.結論:本研究の知見から,地域包括支援センター職員のインフォーマル組織とのネットワーク構築業務に対する認識に働きかけることはバーンアウト予防の糸口になりうることが示された.
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© 2011 一般社団法人 日本地域看護学会
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