日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
在宅介護をする息子介護者の栄養素等摂取状況 : 食塩,食物繊維,アルコールに焦点をあてて
草刈 由美子成瀬 昂尾形 玲美堀越 直子村嶋 幸代
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2012 年 14 巻 2 号 p. 82-91

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抄録
目的:親を介護する息子介護者に焦点をあて,就労状況別の息子介護者の食事準備形態を明らかにする.食事準備者・食事準備形態別の食塩,食物繊維,アルコール摂取状況を把握し,必要な支援について記述する.方法:都内にある訪問看護ステーション,在宅療養支援診療所,居宅介護支援事業所,訪問介護事業所合わせて全26事業所に協力を依頼し,事業所を利用する息子介護者42人に対して構造化面接を行った.食塩,食物繊維,アルコール摂取量は,簡易型自記式食事歴法質問票(brief-type self-administered diet history questionnaire;BDHQ)を用いて算出した.過少申告の基準に該当しない40人を解析対象とした.結果:息子介護者の現在の食事準備者は,38人(95.0%)が息子自身であった.そのうち,息子介護者が介護を始める前は親が食事準備者だった者が,22人(55.0%)であった.就労状況別の食事準備形態は,有職者では半数以上が調理済み食品を購入し家で食べる「中食」であったのに対し,無職者では自宅で料理し食べる「内食」が半数以上であった.現在の息子介護者の食事準備者と食事準備形態別では,「息子が準備・内食」群も「息子が準備・中食」群も食塩,アルコールの過剰摂取,食物繊維の摂取不足者割合が同じであった.結論:息子介護者に対しては,内食を勧めるだけでなく,食塩,食物繊維,アルコールの摂取まで含めた食事指導を,就労・介護状況に合わせて行う必要がある.
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© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
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