日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
特定保健指導担当者のコンピテンシーを高める学習成果創出型プログラム実施による参加者の学習成果
岡田 麻里岡本 玲子小出 恵子岩本 里織
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2012 年 15 巻 2 号 p. 27-37

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抄録
目的:本研究の目的は,A市保健所の特定保健指導事業を担当する5人に,「保健師等のコンピテンシーを高める学習成果創出プログラム」を現場用に改編した「実践学習スキルアップコース(以下,プログラム)」を実施し,参加者の学習成果を明らかにすることである.方法:プログラム前後のアウトカム評価は,コンピテンシーを測定する3つの尺度を用い,Wilcoxonの符号付順位検定を行った.学びのプロセス評価にはグループ・セッション,電話個人面接の逐語録,観察メモ,メール,ワークシートの質的データを用い,内容分析を行った.結果:3つの尺度得点は,実施前よりも後の方が有意に上昇していた.質的データより抽出された参加者の学びのカテゴリーは,《「公衆衛生専門職である」自分の未熟さに気づく》《「公衆衛生専門職である」自分の学習課題を見いだす》《「公衆衛生専門職である」自分の学習目標を決定する》《目標に向けた学習課題に挑み保健指導の本質を捉え直す》《保健理論を応用し保健指導技術を修正/習得する》《専門職として日々自分を成長させる責任を確認する》《職場内での互いの学びを共有する支援関係と体制をつくる》であった.考察:カテゴリーは,学習課題の決定に向けて自分と向き合うリフレクションと学習成果の創出に向けた自分に挑みながらのリフレクションとして関係づけられた.今後特定保健指導担当者へのプログラムの活用の可能性とプログラムの課題が示唆された.
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© 2012 一般社団法人 日本地域看護学会
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