日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
生活習慣病予防における対象者に応じた行動目標設定のための保健師の支援技術の明確化 : 初回保健指導に焦点化して
平敷 小百合今松 友紀田髙 悦子田口(袴田) 理恵臺 有桂有本 梓
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2015 年 18 巻 1 号 p. 20-27

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抄録
目的:目的は,生活習慣病予防の支援に熟練した行政保健師が初回保健指導においてどのように対象者に応じた行動目標決定を支援しているのか,その支援技術を質的に明らかにすることである.方法:対象は3自治体の行政保健師5人であり,方法は質的帰納的研究である.生活習慣病予防の初回保健指導において保健師が行った支援の意図や考え,行為についてインタビューし,分析した.結果:62の<サブカテゴリー>,19の《カテゴリー》,6の【コアカテゴリー】が抽出された.すなわち保健師が用いていた支援技術は【健康の価値を高める】【主体的な行動目標づくりを促す】【健康課題の原因を生活のなかに見いだす】【生活の質の保持を優先する】【効果が実感できる目標設定に共に取り組む】【将来を見据えた堅実な行動目標を定める】であった.考察:熟練した行政保健師が生活習慣病予防の初回保健指導の場面において対象者に応じた行動目標決定を支援するため用いていた支援技術は,対象者における健康の価値を高め,対象者が主体的に行動目標を決定できるよう導くものであった.また同支援技術は,対象者の生活に定着できる形を見つけだし行動変容の習慣化を助けるものであり,対象者との共同によるものであった.
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© 2015 一般社団法人 日本地域看護学会
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