日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
原著
地域診断の実習・演習における教員の評価視点
―ルーブリック開発のためのパフォーマンス評価の規準となる内容の探索―
牛尾 裕子松下 光子塩見 美抄宮芝 智子飯野 理恵嶋澤 順子小巻 京子竹村 和子
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2016 年 19 巻 3 号 p. 6-14

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抄録

目的:本研究の目的は,教員が地域診断に取り組む学生のどのような反応をとらえ,どのように評価しているのかを調べることにより,地域診断のパフォーマンス評価の規準となる内容を探索することである.

方法:研究協力者は,看護系大学で地域看護診断の実習演習に直接携わっている教員12人で,講師3人,准教授8人,教授1人であった.地域看護診断の指導場面を想起し,教育的介入の状況と教員がとらえた学びの反応について,インタビューを実施した.インタビューで得られた語りから,教員が学生に期待したパフォーマンスを解釈・記述し,地域看護診断の過程と4つの評価の観点と照合し,教員の評価視点を分析した.

結果:地域診断のパフォーマンス評価における教員の評価視点は,「重要な情報の抽出と解釈」「地域・生活の共感的理解」などの思考・判断,「情報収集のためのコミュニケーション」などの技能・表現,「公衆衛生看護の知識・理解の深化」という知識・理解,「保健師の実践へのコミットメント」などの関心・意欲・態度から構成された.

考察:地域診断のパフォーマンス評価の規準となる内容の要素として,重要な情報の識別と関連づけ,地域・生活のイメージ・共感的理解,コミュニケーションおよび公衆衛生看護の専門職としての価値信念の内面化,が見いだされた.

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© 2016 一般社団法人 日本地域看護学会
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