2016 年 19 巻 3 号 p. 60-69
目的:地域包括支援センター看護職の社会福祉士,主任介護支援専門員との職種間協働と役割のプロセスを明らかにする.
方法:関東圏域の直営型・委託型地域包括支援センターの業務経験4年以上の保健師および看護師9人に対して,職種間協働に対する考えや行動について半構成的インタビューを行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて質的帰納的に分析した.
結果:看護職の職種間協働は,【職種間の統合】に始まり,《専門性を生かした相互支援》《教え合い》の【職種間の専門性の融合】へと循環し,〈役割の機能拡大〉する【包括的役割への変容】過程をたどり,その一方で,〈専門性の士気の高揚〉と〈専門性の意識の埋没〉という【専門性の意識の満ち欠け】を生じていた.
考察:地域包括支援センター看護職の職種間協働は,専門的役割が発揮されていても,専門性の自覚やプライドが高められないことが特徴であり課題である.