日本地域看護学会誌
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特定機能病院における外来看護師による在宅療養支援の実態
佐藤 日菜田口 敦子永田 智子山内 悦子浦山 美輪戸村 ひかり鷲見 尚己
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2017 年 20 巻 2 号 p. 80-86

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抄録

目的:特定機能病院の外来看護師による在宅療養支援の実施内容とその実施状況,および認識を明らかにすることを目的とした.

方法:在宅療養支援の実施内容を明らかにするために,A大学病院の6人の外来看護師を対象に,ヒアリング調査を実施した.また,その実施状況と在宅療養支援への認識を明らかにするために質問紙調査を実施した.対象はA大学病院の外来看護師とし,在宅療養支援の実施頻度や認識等をたずねた.

結果:ヒアリング調査の結果から,在宅療養支援の実施内容として,【病状および医療処置への支援】【治療継続支援】【意思決定支援】【在宅サービス利用支援】の4つのカテゴリーと,14のサブカテゴリーが抽出された.質問紙調査の結果,【在宅サービス利用支援】の実施頻度では「ほどんどない」と回答した人が半数以上であった.また,在宅療養支援を十分に行っている群(実施群)は2割であった.実施群は十分に行っていない群(非実施群)と比較して,在宅療養支援にかかわる知識を十分にもち,関係職種とコミュニケーションを十分にとっていた.

考察:外来看護師による在宅療養支援の実施内容は多岐にわたる.外来看護師が在宅療養支援を実施する機会は少なく,今後の推進に向けては,在宅療養支援の知識を獲得し,関係職種と顔のみえる関係を構築し,連携を深める必要があると考えられた.

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© 2017 一般社団法人 日本地域看護学会
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