2019 年 22 巻 3 号 p. 17-25
目的:外来看護師が患者の在宅療養支援ニーズに気づくためにどのような情報収集を行っているかを明らかにすることを目的とした.
方法:外来患者の在宅療養支援ニーズを把握し,在宅療養支援を行った経験を有する全国15病院の外来看護師18人を対象として,外来で在宅療養支援ニーズを把握した事例への支援内容について半構造化面接を実施し,在宅療養支援ニーズに気づくために収集していた情報を質的帰納的に分析した.
結果:外来看護師が患者の在宅療養支援ニーズに気づくための情報収集の内容として,【患者の治療や病状】【患者の受診行動のとり方】【同行者の来院時の様子】【患者の自宅での様子】【患者・介護者の自己管理やセルフケア状況】【患者・介護者の在宅サービスへの認識・申請状況】の6つのカテゴリーと41のサブカテゴリーが抽出された.
考察:外来看護師は,患者の在宅療養支援ニーズに気づくために外来患者や同行者の変化について観察し,聞き取り等の看護実践から自宅での様子を推測していることが明らかとなった.今後は,これらの情報収集の実施により,在宅療養支援ニーズをどの程度把握できているかを明らかにし,適切な支援の提供のためのシステム構築に向けて検討する必要があると考える.