目的:里親家族への理解を深め,看護介入や支援の示唆を得るため,里親家族の始まり部分に焦点を当て,里親になるために里親が家族に行ったアプローチとそれに対する家族の反応を明らかにすることを目的とする.
方法:1年以上養育里親をしている7人を対象に半構成面接を実施し,質的記述的にインタビュー内容を分析した.
結果:里親が行った家族へのアプローチは,【里親になるという事実を共有する】ことであり,アプローチに対する家族の反応は,【里親家族になることを前向きに受け入れる】と【不安をもちつつ里親家族になることを受け入れる】の2つであった.
考察:里親家族は「養育里親になる」という事実を家族全体で受け止め,家族として里子を支えていこうという決意のもと成り立っている家族であった.里親が安心かつ自信をもって里親家族を継続できるよう,児童相談所との連携強化等,里親家族が市町村の母子保健サービスを活用しやすい仕組みをつくり,里親支援に保健師が積極的に関与することが有効と考える.