日本地域看護学会誌
Online ISSN : 2432-0803
Print ISSN : 1346-9657
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保健医療福祉計画策定における日本の保健師の用いている方策に関する文献レビュー
―2013〜2018年に発表された論文に焦点を当てて―
吉岡 京子
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2020 年 23 巻 1 号 p. 59-65

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抄録

目的:保健師が保健医療福祉計画策定(以下,計画策定)の際にどのような方策を用いているのかを解明し,保健師による計画策定を円滑に進めるための示唆を得る.

方法:2019年5月に医中誌WebとCiNii Articlesの検索エンジンを用い,2013~2018年12月までに発表された文献を「健康増進計画」「がん対策推進計画」「医療費適正化計画」「特定健康診査等実施計画」「母子保健計画」「障害福祉計画」「介護保険事業支援計画」「介護保険事業計画」「医療計画」の各ワードと「保健師」「計画策定」をand検索した.

結果:収集した29件のうち,事例報告が25件,解説が3件,調査が1件であった.計画策定時に保健師が用いている方策は,1)計画策定を円滑に進めるための体制づくり,2)課題分析,3)データ収集,4)優先課題・ターゲット集団の設定,5)施策の具体化に向けた検討,6)評価を視野に入れた準備,7)その他に分類された.関連計画との整合性の検討に関する記載は乏しかった.

考察:本結果から保健師は自らの経験知に基づいて計画策定を進めていたと考えられる.保健師が計画策定を円滑に進めることができるようになるためには,その具体的な方策を学ぶための現任教育プログラムの開発が必要と考えられる.

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© 2020 一般社団法人 日本地域看護学会
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