2025 年 28 巻 1 号 p. 60-68
目的:認知症ケアを題材としたシナリオ学習教材による社会資源創出に関する学生の成果を明らかにし,より効果的に社会資源創出を学習するための授業方法について考察する.
方法:開発したシナリオ学習教材を用いた遠隔授業の演習を受講し,協力の得られた学生79人のレポートの成果の項目からデータを収集した.学生の成果である,学習目標の達成度(5件法)と学習内容の満足度(5件法),学習内容を活用できる自信の程度(5件法)は単純集計し,割合を示した.授業における学び・気づきと活用できる自信がある学習内容は,質的帰納的に分析した.
結果:学習目標の達成度は,すべての学習目標で7割以上の学生が70%以上達成と回答した.学習内容の満足度と学習内容を活用できる自信の程度では共に8割以上の学生がある・ややあると回答した.授業における学び・気づきとして[自由に映像を繰り返しみることでの学びの促進][グループワークをとおしての学びの深まり]等が得られた.活用できる自信がある学習内容は,【地域における社会資源の育成と支援】等が得られた.
考察:学生達は繰り返し映像教材をみることにより,文章表現だけでは理解が難しい事例の具体的なイメージ化を行い理解を深め,グループワークにより学生同士の相互理解や多様な視点の気づきを得ていた.本研究で実施した授業は,Low-fidelityに該当することから,Fidelityを高めるためにロールプレイを取り入れることで,学習目標の達成度の向上となる可能性がある.