2026 年 29 巻 2 号 p. 4-14
目的:大学と自治体が共同開発した市民向け講座型ACP普及啓発プログラムの効果を検討し,3か月後にACPに関する話し合いを実施した人としていない人の特性の比較,話し合いを実施しなかった理由を明らかにする.
方法:2021年にプログラムを用いて3か所の地域で講座を実施した.3か月後質問紙に回答した者を対象とし,基本属性,以前の話し合いの経験,プログラム直後の反応と,3か月後の話し合い実施有無との関連を検討した.また自由記述より話し合いを実施しなかった理由を分析した.
結果:3か月後質問紙の回収率は48.5%であり,回収したうちの分析対象者(n=32)において,3か月後は21人(65.6%)が話し合いを実施していた.話し合い実施有無と基本属性との関連は認めず,受講後の話し合いへの意欲の高さと,以前の話し合い経験ありが有意に関連していた.話し合いを実施しなかった理由として,機会の少なさや必要性の認識不足,家族との認識の違い等が抽出された.
考察:プログラム受講後,ACPに対する理解や話し合いの意欲の高さが認められた.その後話し合いを実施した人の多くはもともとACPに関する話し合いの経験を有していた.より多くの市民の行動変容を促すためには,これまでの経験の有無も考慮し,話し合いに結びつく工夫や多層的な介入が求められる.