日本地域看護学会誌
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高齢者への歯科保健事業に関する調査研究 : 自治体類型別にみたスタッフ配置と評価の実施状況
高﨑 絹子千葉 由美中馬 妙子大谷 遊子
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2001 年 3 巻 1 号 p. 131-137

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抄録

全国の自治体類型別に歯科保健事業に関わる専門職の配置状況,高齢者への歯科保健事業の実施状況,および歯科保健事業の評価などについて調査分析し,以下の結果を得た.なお,分析対象数は860(回収数26.4%)である.(1)歯科保健事業に関わる各職種の配置率は,常勤では保健婦が67.0%と最も高く,非常勤では歯科衛生士が47.7%と最も高くなっていた.また,特別区・政令市では歯科医師(常)・歯科衛生士(常)の配置率が高いのに対して,市,町,村では保健婦(常)が約60%から73%と高率に配置されていた.(2)高齢者歯科健事業を実施しているのは,有効回答852のうち427(50.1%)であり,特別区・政令市21(84.0%),市177(66.5%),町194(42.8%),村35(32.4%)であった.(3)自治体類型別の高齢者歯科保健事業に関わる各職種10万人当たりの平均人数は,どの職種でも人数が多い方から,村,町,市,特別区・政令市の順であった.(4)保健婦と歯科衛生士が共に高齢者歯科保健事業に参加している割合は,常勤で特別区・政令市が14.2%と最も低かった.(5)事業の評価の実施率は,全体では390(45.3%)であった.以上の結果をふまえて,今後の高齢者への歯科保健事業の展開方法を検討する必要がある.

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© 2001 一般社団法人 日本地域看護学会
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