日本地域看護学会誌
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Print ISSN : 1346-9657
行政機関に働く保健師の専門職務遂行能力の測定用具の開発
佐伯 和子和泉 比佐子宇座 美代子高崎 郁恵
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2003 年 6 巻 1 号 p. 32-39

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抄録

行政機関に働く保健師の専門職務遂行能力をベースにした系統的な継続教育のプログラムの構築をめざして,保健師の専門職務遂行能力の測定用具を開発することを目的とした.4県の行政で働く保健師3,024人を対象に質問紙による郵送調査を行い,専門職務遂行能力の測定を自己評価により行った.1,614人の有効回答を分析し,信頼性と妥当性を検討した.20項目から成る行政機関に働く保健師の専門職務遂行能力は,主因子分析の結果,「対人支援能力」8項目と「地域支援および管理能力」12項目の2つの因子から構成されていた.「対人支援能力」には,個人家族への支援と方法としての集団支援が含まれた.「地域支援および管理能力」には,地域活動と施策化と管理教育の内容が含まれた.全体のクロンバックα係数は0.97であり,「対人支援能力」0.96,「地域支援および管理能力」0.96であった.外的基準との相関係数は「対人支援能力」0.54,「地域支援および管理能力」0.63であった.以上より,保健師の専門職務遂行能力測定用具は信頼性,妥当性があると確認された.

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© 2003 一般社団法人 日本地域看護学会
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