抄録
本研究の目的は,神経難病患者に対する保健師による早期からの支援方法の手がかりを得るため,軽症期にある神経難病患者の生活の編み直し(再編成)で見える頑張りの内容を記述的に明らかすることである.調査方法は,在宅療養中のパーキンソン病および脊髄小脳変性症と診断された患者7名を対象とした半構成的個別面接であり,その逐語録をデータとし質的記述的に分析を行った.その結果,生活を編み直す頑張りとして,<現状を受け入れる>,<人や社会とのつながりを維持する><自己の役割・責任を遂行する>をはじめ9つのサブカテゴリーから【病の進行に向き合いその現状に積極的に対応する】,【人や社会と相互の関係性を築く】,【病に意義を見出し自己実現を図る】の3つのカテゴリーが抽出された.軽症期にある神経難病患者は,病による生活の変化に向き合い,さまざまな方法でそれらに適応しようと頑張っていた.以上から,症状のコントロールや残存能力の見極め,同病者や社会と交流する機会の提供,生活や病とともに生きる自己に新たな意味を見出す援助等の必要性が示唆された.今後,これらの頑張りを総合的にアセスメントし,頑張りの内容やレベルに応じて早期から継続支援していく必要がある.