抄録
本研究は,日本の196 大学を対象に,カリキュラム,教員構成,教材使用の観点から中国語教育の現状を実証的に分析した。調査の結果,日本の中国語教育は主に教養コースに集中し,私立大学では初級から上級までの幅広いレベルのコースが提供されているのに対し,国公立大学では初級および中級コースが中心であることが明らかとなった。教員構成では,教養コースは中国語母語話者の非常勤教員が主に担当し,中国語専攻や中国研究コースでは日本語母語話者の常勤教員が主導していることが分かった。また,教材は多様で更新が頻繁に行われているが,定番教材は限られていることが判明した。さらに,中国で出版された教材は日本市場において一定の潜在力を持つものの,学習者のニーズに合わせて日本語版翻訳や教材設計を最適化する必要があることが示唆された。