2024 年 6 巻 p. 59-69
本研究では心理的安全性の視点をもとに,クラス会議の手法を取り入れた教員による話合いの影響について明らかにすることを目的とした。教員11名を対象に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(以下,M-GTA)を用い分析を行った。その結果,7個のカテゴリーと8個のサブカテゴリー,13個の概念が生成され,それらは一連のプロセスとして結果図にまとめられた。クラス会議の手法を取り入れた教員による話合いでは,参加者の対等性が保障され,互いに尊重し合うことにより,心理的安全性が醸成される可能性が示された。また,話合いの影響が日常生活へとつながっていくことで,教員間のかかわりが生まれたり,組織的な教育活動を効果的に行えるようになったりする可能性が示唆された。