本研究は,SSTを核とした教科等横断的な対人技能指導が,児童の自己有用感にどのような影響をもたらすかについて明らかにすることを目的とした。具体的には,学級活動の時間にSSTを実施することによって,社会的スキルや対人技能を体得できるようにし,培ったスキルを,協同学習の場面においても一貫・継続して活用できるようにした。その結果,児童が認知する自己有用感に有意な正の変容が認められた。また,その要因を詳細に検討するために,自由記述や学習場面の発話をもとに分析したところ,SSTによる学びを中核とし,協同学習の場面で活用することで,児童の自己有用感が高まっていった可能性が示唆された。
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