2018 年 7 巻 p. 1-7
本研究は,多くの先行研究で広く妥当性が検証され,近年の学校現場での教員の指導性の向上を目指した取り組みにも取り入れられているPM理論を用いた先行研究の調査結果を検討し,年代ごとに小学校教員のPM4類型の出現率を比較することで,教員の指導力向上の取り組みの実態について考察を試みることを目的とした。分析の結果,1994年においてpM型の指導類型の教員が有意に多いこととpm型の指導類型の教員が有意に少ないこと,2013年においてPM型の指導類型の教員が有意に多いこととpM型の指導類型の教員が有意に少ないこと,が明らかになった。学校現場での教員の指導力向上の取り組みの実態として,教員の指導行動はその年代で発生している教育現場の問題に対して,その対策となる面の指導性が高まる傾向があることが認められた。