2018 年 7 巻 p. 9-19
本研究では,児童生徒の友人グループの状態に対する認知と学級集団との関連性を検討することを目的とした。具体的には,学級内の人間関係にまだ広がりはないが学級集団の雰囲気などはある程度形成され始める1学期の学級状態と,日常の学習活動やいくつかの行事などを経て学級集団の雰囲気がある程度確立している2学期の学級状態において,どのようなグループタイプが多く出現するのかについて検討した。公立小学校6校の小学生1,261名と公立中学校4校の中学生1,083名を対象とした。結果,小中学校ともに,1学期でも2学期でも時期に関係なく親和型学級になっている場合は肯定優位型(HL)が多く,荒れ始め型は2学期に否定優位型(LH)の出現率が高まるなど,学級集団の状態と児童生徒の友人グループ関係が相互に関連していることが明らかになった。