学術情報処理研究
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Print ISSN : 1343-2915
原著論文
P2PダウンロードにおけるISP間トラフィック削減手法の提案
今泉友輔今泉貴史
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2013 年 17 巻 1 号 p. 11-16

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抄録

近年、インターネットの利用増加による通信帯域の圧迫が大きな問題となっているが、その中でP2Pファイル共有関連のトラフィックが占める割合は小さくない。P2Pファイル共有アプリケーションでは、目的のファイルを持つノード群から主にスループットに基づいて接続先を選択する。この際、距離などは考慮されないため長い距離をデータが流れることがあり、インターネット資源の浪費を引き起こしている。つまり、P2Pファイル共有アプリケーションはユーザー優先なアーキテクチャとなっている。P2Pファイル共有トラフィックによる帯域の圧迫のために、ISPでは、帯域制限や特定のプロトコルの遮断を余儀なくされている。接続先として地理的に近いノードを選択することで総トラフィックを削減する手法が提案されているが、これはISP側の視点から考えられたものであり、ユーザー側のインセンティブについては明確に述べられていない。本研究では、ノードの選択にダウンロード速度と距離の両方を用いる指標を導入し、ISP側とユーザー側の双方を考慮したノード選択法を提案する。

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© 2013 学術情報処理研究編集委員会
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