2016 年 20 巻 1 号 p. 112-118
情報システムの多くは、ログイン認証としてユーザIDと固定パスワードを採用している。しかしながら、固定パスワードによる認証はフィッシング等によるアカウント情報の漏洩により不正アクセスの被害を受けやすい。この対策として、ワンタイムパスワードや2要素認証など認証システムを変更する強化策が提案されている。一方近年、固定パスワードによるログイン認証を強化する方法として認証シャッターが提案されている。これは、ユーザが認証シャッターの開閉操作を行い、認証シャッターが開放されている時だけ認証を実施することで不正アクセスを防止するための仕組みである。本論文では、これまで提案されているものよりもユーザの利便性を高め、また既存のシステムの変更を不要とする認証シャッターとその実装を提案する。