学術情報処理研究
Online ISSN : 2433-7595
Print ISSN : 1343-2915
原著論文
情報セキュリティ対策自己診断システムの構築と実践
青木 謙二園田 誠黒木 亘宮本 理司廿日出 勇
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 26 巻 1 号 p. 63-70

詳細
抄録

本学ではこれまでに,情報セキュリティに関する規程や体制の整備を行い,積極的に情報セキュリティの確保に努めてきた.その一つとして,最も利用者の多いクライアント端末(PC)の情報セキュリティ対策を推進している.その情報セキュリティ対策実施状況を把握するために監査を行ってきた.しかし,これだけでは十分に全学の状況を把握することは難しく,また,すべての管理者が自らPCの状態を確認することが困難であることから,より簡単にPCの情報セキュリティ対策の状況を把握できる手段が求められていた.そこで,自己診断システムを構築し,これを用いて自己診断を実施した.2022年4月12日から7月10日までの3か月間に,本学の全構成員を対象として自己診断を実施した結果,本学の1,263名の教職員・学生が1,397台のPCにおいて自己診断を実施した.これにより,本学のネットワークに接続して使用するPCの情報セキュリティ対策の状況を把握することができた.自己診断を分析した結果,本学が定めるセキュリティ対策をとっている端末が51%,対策に何らかの不備がある端末が49%であることがわかった.また,自己診断を契機に情報セキュリティ対策の実施率が向上していることが示唆された.

著者関連情報
© 2022 大学ICT推進協議会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top