2024 年 28 巻 1 号 p. 4-15
山口大学では,JupyterHubを独自に改修したWeb型プログラミング演習システム(YamaguchiHubと呼ぶ)を構築・運用している.このシステムでは,科目ごとの環境設定を自動的に生成・提供しつつ,多数の科目が自由にかつ同時にシステムを利用可能である.しかし,システムの構築手順が複雑な上,運用組織の計算機環境に依存する設定値等が実装部分から分離されていないため,他の組織への導入が困難である.そこで我々は,YamaguchiHubの構築・運用手順を整理し,国立情報学研究所が運営する学認クラウドオンデマンド構築サービス(OCS)に対応したアプリケーション・テンプレートとして開発して汎用化した.開発したシステムをMCJ-CloudHub(Multiple Course Jupyter-based Cloud Hub)と呼ぶ.MCJ-CloudHubの一般公開により,他の組織でもOCSから本システムの導入・運用が可能になる.本論文では,MCJ-CloudHubの概要及び開発状況,並びにこれまでの検証結果について述べる.