2002 年 6 巻 1 号 p. 5-12
VLAN技術により,物理的な場所による制限を考慮することのない自由なネットワークが構築可能になり,大学の構内LANなどにも利用されている.このVLANにより設計されたネットワークに,利用者の資格に応じて適切なVLANを利用可能にする研究開発が進められ,いつくかの実装例や製品が提案されている.これらは単体での利用を想定したもので,スイッチングハブの物理ポートでの制御,または,利用者の端末のMACアドレスによる制御を行うため,どちらか片方の構成ではさまざまな利用環境への対応は難しい.筆者らは情報コンセントシステムの機能をモデル化し,そのモデルに対する制御インターフェースを共通化するために,遠隔機器制御プロトコルRACPの枠組みに基づいた情報コンセントシステムPortGuardを提案し,有線および無線LAN,MACアドレスベースVLAN選択対応の実装を行なっている.本論文ではこのVLAN選択機能を持つ情報コンセントシステムについて紹介し,実際の利用形態に適用した場合の既存システムのVLAN選択の問題点を示し,本提案システムによる解決例を示す.