第一章では、社会心理学的な立場からコミュニティ政策学へ接近してゆくという問題を考える際に有用となりそうな諸概念について説明した。それらは、予防、危機介入、コンピテンス、エンパワーメント、ソーシャル・サポート、コミュニティ感覚などである。第二章では、写真投影法を用いてコミュニティ感覚を測定した事例を紹介した。天草下島の住人に使い捨てのカメラを渡し、好きなところや好きなものを自由に撮影してもらった。その写真は、地域住民の生活構造が地域環境から影響を受けながら形成されることを物語っていた。そこから、写真投影法の新たな分析手法を開発した。