日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
肺癌手術における肺動静脈3D-CT angiographyの有用性
田中 俊樹郷良 秀典古川 昭一濱野 公一
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キーワード: 肺癌, 3D-CT
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2005 年 19 巻 1 号 p. 8-11

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抄録
2003年3月~7月までに当科で肺葉切除を行った原発性肺癌患者全11例を対象として, 術前に肺動脈3D-CT angiographyを行い肺動脈の分枝 (区域動脈) を同定し, 術中に実際の肺動脈の分枝と比較してその有用性を検討した. 対象患者全員に医療負担 (約740円) ・追加被爆線量 (12~17mGy) について十分な説明を行い, 同意を得た. 結果は, 検討した全分枝の同定率 (3D-CTでの分枝同定数/手術時の分枝同定数) は98.5%であった. 左右肺動脈では, 右側100%, 左側97.1%であった. 同定不可能であった分枝は太さが約1.5mmで, 肺静脈との区別が難しい症例であった. 肺癌手術における肺動脈3D-CT angiographyは, 術前に肺動脈の分枝をほぼ確実に同定できるため, 肺動脈分枝の形態把握に有用であった.
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