2005 年 19 巻 2 号 p. 82-86
【目的】 我々は肺癌化学療法の奏効率向上を目的として組織培養法抗癌剤感受性試験 (HDRA) を行っている. HDRAの検体採取を目的とした内視鏡下手術の意義について検討した. 【対象および結果】 induction therapy 7例, 手術不能25例, 再発1例の計33例. 術式は胸腔鏡下生検6例, 縦隔鏡下生検27例. 生検組織は原発巣5例, リンパ節27例, 肺転移巣1例. 7例で生検組織に癌細胞が無く26例でHDRAが施行された. 検査薬剤はCDDP, FU, ADM, MMC, DOC, VP16, CPT-11, GEM, PACの9剤より選択し, 5±2 (2-9) 剤が検査された. 4例は陽性薬剤がなかった. 20例で陽性薬剤を用いた治療が施行された. 画像上, 17例で治療効果が評価可能で, 奏効率は88%であった. 【まとめ】 内視鏡手術検体を用いたHDRAは肺癌化学療法の奏効率向上に寄与すると考えられる.