日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
後縦隔及び後腹膜腔に多発した神経節細胞腫の一例
松谷 哲行尾関 雄一佐藤 光春橋本 博史小原 聖勇中岸 義典津福 達二相田 真介前原 正明
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2005 年 19 巻 6 号 p. 782-787

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抄録

症例は15歳, 男性. 2000年5月学校検診で胸部異常影を指摘された. 胸部X線写真で心陰影に重なり下行大動脈左側縁から左肺野へ突出する半円状の腫瘤影を認めた. CT, MRIでは左後縦隔に胸椎左縁に接する瓢箪形の充実性腫瘤影を認め, 左後腹膜腔の副腎部にも孤立性腫瘤影を認めた. 縦隔内神経原性腫瘍を考え胸腔鏡補助下小開胸開腹により腫瘍摘出術を施行した. 後縦隔の交感神経幹に沿って連続する3個の腫瘍と後腹膜腔左腎上部に1個の計4個の腫瘤を認め, これを一期的に摘出した. いずれの腫瘍も病理学的に神経節細胞腫であった. 後縦隔及び後腹膜腔に多発した神経節細胞腫は稀であるため文献的考察を加えて報告した.

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