日本呼吸器外科学会雑誌
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末梢小型肺腺癌のGGO面積比率と野口分類 : 縮小手術に対する1考察
中島 義明山田 健棚橋 雅幸彦坂 雄丹羽 宏
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2006 年 20 巻 1 号 p. 6-11

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抄録
腫瘍最大径2cm以下の末梢発生肺腺癌切除141例に対して, HRCT上腫瘍最大割面でのGGO面積比率(G)をG=100%(G100), 50%<G<100%(G75), 0%<G≦50%(G25), G=0%(G0)の4群に分類して, 病理学的所見, 予後に関して検討した.G100は11例で, 全例がNoguchi type AもしくはBであった.G75は29例でリンパ節転移を認めず, 1例にリンパ管侵襲を, 2例に血管侵襲を認めた.G25は55例でリンパ節転移を6例に, リンパ管侵襲を17例に, 血管侵襲を20例に認めた.G0は46例でリンパ節転移を13例に, リンパ管侵襲を14例に, 血管侵襲を25例に認めた.G100, G75は全例無再発生存中.G25, G0の5年生存率はそれぞれ77.3%, 77.6%であった.GGO面積比率は肺腺癌の悪性度と密接な関係があり, 積極的縮小手術の適応基準となる可能性が示唆された.
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© 2006 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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