抄録
症例は72歳男性.19歳時結核性胸膜炎の既往あり.61歳時に右胸部異常陰影を指摘され,前医にて経過観察されていた.陰影が徐々に増大し,6ヵ月前から労作時呼吸困難を自覚するようになった.病変は最大径19cmで右胸腔内より縦隔を圧迫するように存在していた.病変内部の経皮生検では陳旧性の凝血塊を認めた.総合的な判断よりChronic expanding hematomaと診断し血腫摘出手術を施行した.血腫を被膜の外側で剥離し,炎症性癒着の強固な中下葉および横隔膜を合併切除した.横隔膜はポリプロピレンメッシュを用いて再建した.術後経過良好で労作時呼吸困難は軽減し,呼吸機能は術前より改善した.