日本呼吸器外科学会雑誌
Online ISSN : 1881-4158
Print ISSN : 0919-0945
ISSN-L : 0919-0945
症例
絞扼性イレウスと緊張性気胸を合併した成人型先天性Bochdalek孔ヘルニアの一例
大成 亮次宮田 義浩渡邉 雄介御厨 美洋日山 享士西亀 正之
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 21 巻 2 号 p. 133-138

詳細
抄録
症例は52歳,男性.2週間前から持続する心窩部痛を主訴に救急外来を受診した.診察中に突然呼吸困難を訴えショック状態となった.胸腹部CTで左胸腔内に絞扼性イレウスと気胸を認めた.縦隔が著明に右方へ偏移し,右肺の拡張障害を認めたため緊急手術を行った.胃から下行結腸にいたる消化管,大網と脾が胸腹裂孔をとおって左胸腔に滑脱していた.術中所見から先天性Bochdalek孔ヘルニアと診断した.虫垂に起因する虫垂間膜内の炎症性腫瘤が結腸と強固に癒着していた.左肺は上下葉とも形成不全のため手拳大であった.回盲部切除,脾摘除ならびに壊死した広範囲の小腸部分切除を施行した.開腹して滑脱臓器を還納したのちヘルニア孔を二重にマットレス縫合して閉鎖した.滑脱臓器が多く呼吸循環動態が不安定な緊急症例では,開胸と開腹を併用して迅速かつ安全な手術操作を行う必要がある.
著者関連情報
© 2007 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top