抄録
症例は71歳女性.他院にてCEA上昇と大動脈傍リンパ節腫大とを指摘され,当科へ紹介となった.全身精査にて大動脈傍リンパ節の腫大以外に異常所見なく,開胸リンパ節生検を施行した.大動脈傍リンパ節1個のみが1×2cm大に腫大し,周囲への浸潤は全くなく,容易に摘出可能だった.その他のリンパ節には腫大を認めず,明らかな肺内・肺門部病変も認めなかった.病理組織学的検査にて未分化癌との診断だった.術後,化学療法2クールと縦隔への同時放射線療法60Gyを追加した.臨床経過や手術所見から,リンパ節が原発の癌である可能性が示唆された.原発不明縦隔リンパ節癌に対しては,診断と治療を兼ねて積極的に手術での完全切除を行い,必要に応じて化学療法・放射線療法を追加することで予後の改善が得られると考えられる.