日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
慢性閉塞性肺疾患に合併したII期膿胸に対し胸腔鏡下肺剥皮術を行った1例
八板 英道大場 太郎小副川 敦
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2008 年 22 巻 5 号 p. 805-809

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抄録

症例は87才男性,2006年3月頃から体動時の呼吸困難を訴えていた.同年5月20日意識を消失しているところを発見された.高CO2血症による意識障害の診断で気管内挿管の上,人工呼吸器管理となった.意識は回復したが重症の閉塞性肺疾患のため,気管切開術を受けた.状態が安定したため2006年6月30日人工呼吸器装着のまま当院に紹介転院となった.同年8月1日頃より38℃台の高熱が出現し,胸部X線像にて右胸水貯留を認めた.胸腔穿刺にて膿性胸水を認め,膿胸の診断となり右胸腔ドレナージを行った.高齢でしかも高度の低肺機能のため,高リスクであったが,胸腔鏡下肺剥皮術を安全に行うことができた.術後4日目にドレーンを抜去,術後10ヵ月経過したが膿胸再発の所見を認めていない.

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