日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
気管から左主気管支にかけて発生した顆粒細胞腫の一切除例
中根 茂明石 章則福原 謙二郎冨田 栄美子
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2008 年 22 巻 7 号 p. 1088-1093

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抄録

我々は,気管から左主気管支にかけて発生した顆粒細胞腫(GCT)の一切除例を経験したので文献的考察を加え報告する.40歳男性で,肺炎を発症した.胸部CTにて気管内腔に突出し後縦隔へ進展する腫瘤を認めた.気管支鏡にて気管~左主気管支に突出する腫瘤を認め,生検にてGCTと診断された.術前の胸部CT三次元再構築像にて腫瘍の進展範囲を評価し,気管・左主気管支楔状切除にて完全切除し得た.腫瘍は30×23×17mmで,周囲臓器への浸潤は認めなかったが膜様部より腔外へも進展していた.GCTはSchwann細胞由来の良性腫瘍であるが,気管~主気管支発生は稀である.多発発生や再発の報告もあり,長期間の経過観察が必要である.

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