2008 年 22 巻 7 号 p. 981-986
HDRAに基づく術後補助化学療法を施行したIII期非小細胞肺癌39例を検討した.HDRAは切除した原発巣,転移巣を3次元組織培養しコハク酸脱水素酵素活性で判定した.感受性はCDDP,CBDCA,PTX,CPT-11,GEM,DOCについて検討した.男性28例,女性11例.平均年齢64.8歳.組織型は腺癌27例,扁平上皮癌8例,その他4例であった.HDRA陽性薬2剤投与群14例の3年/5年生存率は85.1/85.1%,陽性薬1剤投与群+陰性薬2剤投与群25例の3年生存率は46.9%で5年生存例はなく陽性薬2剤投与群の予後が有意に良好であった(p=0.01).III期非小細胞肺癌に対する術後補助化学療法においてHDRA陽性薬剤を2剤投与することで予後の向上が期待できると思われた.