抄録
症例は82歳,男性.近医にて偶然,胸部レントゲン写真上の異常陰影を指摘され,当院に紹介された.CTにて右S1に境界明瞭な12×11mmの結節影が確認された.気管支鏡では診断が得られず,良性腫瘍を疑うものの悪性腫瘍も否定できないため,右S1区域切除術を施行.病理検査でコンゴーレッド染色陽性の好酸性無構造物が認められ,肺アミロイドーシスと診断した.全身疾患はなく,他の部位にアミロイドの沈着もなく,アミロイド国際分類の限局性結節性肺アミロイドーシスと診断した.肺の結節影の鑑別診断にこの疾患を考える必要があると思われる.