日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
FDG-PETで集積を認め肺癌との鑑別が困難であった肺放線菌症の一例
安彦 智博小泉 聡子高浪 巌
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キーワード: 肺放線菌症, FDG-PET, 気管支鏡
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2009 年 23 巻 4 号 p. 653-656

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抄録
症例は69歳男性で,2007年3月に胃癌術後1年目に行った胸部CTで右S2に30×15mm大の周囲に浸潤影を伴う腫瘤影が出現したが,気管支鏡では細胞診がclass II,組織診は気管支・肺胞組織の器質化の診断であった.3ヵ月後の胸部CTでは腫瘤影が30×20mm大と増大してきたため気管支鏡を再検したが前回と同様の結果であった.FDG-PETを施行したところ,SUVmax 5.97と強い結節状集積を認め肺癌が疑われた.2007年8月胸腔鏡下右S2区域切除を施行した.病理診断は肺放線菌症であった.肺放線菌症は画像上だけでなく気管支鏡でも肺癌との鑑別が困難なため,悪性が疑われ気管支鏡で診断が確定できない腫瘤影には,本疾患を念頭に入れておく必要があると考えられた.
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