日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
微小胸腺腫を含む多発胸腺腫の1例
高橋 守亀山 耕太郎大畑 惠資山科 明彦松岡 智章奥村 典仁
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2009 年 23 巻 7 号 p. 951-954

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抄録
微小胸腺腫を含んだ稀な多発胸腺腫の1症例を経験したので報告する.患者は76歳男性で,胸部CTで,多発胸腺腫瘍(2ヵ所)が疑われ,胸腺胸腺腫瘍摘出術を施行した.病理所見ではさらに術前の画像診断で検出できなかった微小胸腺腫を認めた.すべてType B2胸腺腫で被膜を有し,左葉の腫瘍は正岡II期の胸腺腫であった.被膜の存在とリンパ管などの連絡経路の欠除から,本症例は多中心性発生の多発胸腺腫と考えられた.病理組織診断で肉眼的に確認できない胸腺腫を認めたことから,胸腺腫に対する手術術式としては従来から推奨されている胸腺胸腺腫瘍摘出術が望ましいと考えられた.
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© 2009 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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