日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
リンパ節転移をきたした肺硬化性血管腫の1例
中島 大輔住友 伸一松本 和也垂水 晋太郎森 奈都美住友 亮太
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2010 年 24 巻 1 号 p. 074-077

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抄録
症例は55歳,男性.2007年6月,胸部X線写真上,左下肺野に結節影を指摘された.同年11月のCT上でも同様の陰影を認め,当院に紹介された.2008年1月,診断,加療目的に手術を行った.肺部分切除により摘出した腫瘍の迅速病理組織診にて,低悪性度腫瘍もしくは腺癌と診断されたため,左下葉切除とリンパ節郭清を行った.腫瘍は2.2×1.8×1.3cm大であった.永久病理組織診にて硬化性血管腫と確定診断され,下葉気管支末梢のリンパ節1個に転移を認めた.硬化性血管腫は良性もしくは低悪性度腫瘍と考えられており,リンパ節転移をきたすのは稀である.腫瘍径が比較的大きいものにリンパ節転移をきたしやすいとされているが,本症例のような径が小さいものでも転移を認めることがあり,術中の所属リンパ節サンプリングは必須であると考える.
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