日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
CTガイド下肺針生検の合併症に関する検討
藤田 敦塚田 博須田 一晴古屋敷 剛呉屋 朝幸
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2010 年 24 巻 6 号 p. 891-895

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抄録
当院で行ったCTガイド下肺針生検について,腫瘍径および生検針の穿刺距離と合併症の関連を検討した.CTガイド下肺針生検を行った206例中59例に合併症が見られ,気胸が35例,喀血が28例,喀血と気胸が合併した症例が4例あった.合併症が見られた症例の平均腫瘍径は2.2±0.9cm,見られなかった症例は2.5±1.4cmで両群間に有意差は見られなかった(p=0.159).穿刺距離を測定可能な症例は100例のみであった.合併症が見られた症例の平均穿刺距離は2.4±1.4cm,見られなかった症例は1.3±1.3cmで両群間に有意差が見られた(p<0.05).穿刺距離を2cmで区切ると2cm未満の症例61例のうち8例に,2cm以上の症例39例のうち21例に合併症が見られ両群間に有意差が見られた(p<0.05).合併症を軽減するためには穿刺距離を極力短くする必要性があると考えられた.
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