日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
ソラシックエッグ®による自然気胸の外来治療の検討
椎野 王久坂本 和裕山仲 一輝正津 晶子
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2011 年 25 巻 1 号 p. 007-012

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抄録
【背景】現在も多くの施設で中等度以上の自然気胸の胸腔ドレナージが入院管理下で行われているが患者の多くは若年者で通院治療をしばしば希望する.今回自然気胸の入院治療期間短縮を目的に簡易気胸ドレナージキット,ソラシックエッグ®(住友ベークライト社製,以下TE)による外来治療を検討した.【対象】中等度以上の自然気胸患者で緊張性気胸等適応外基準を設け2005年6月~2009年12月に当院でTEを使用した57症例.【結果】男性44例,女性13例.年齢14~75(平均29.5)歳.初発36例,再発21例.外来通院のみで軽快28例,手術施行29例.ドレナージ中入院管理が必要とするとTEにより通院のみで軽快した日数のべ128日,手術入院までの外来観察日数のべ137日の計265日が短縮入院期間となり総ドレナージ日数307日の86.3%が短縮できた.【結論】TEによる自然気胸の外来治療は適切な使用基準での患者選定により安全かつ有用と考える.
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