日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
胸腺腫術後3ヵ月目に赤芽球癆を発症した1例
千葉 眞人塩野 知志安孫子 正美岡崎 敏昌矢吹 皓佐藤 徹
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キーワード: 胸腺腫, 赤芽球癆, 術後発症
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2011 年 25 巻 4 号 p. 438-441

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抄録
症例は58歳男性.胸腺腫に対し拡大胸腺胸腺腫摘出術を施行.病理診断は正岡分類II期,WHO分類type ABの胸腺腫であった.術後1ヵ月目より放射線治療を追加したが,3ヵ月目に全身倦怠感を生じ,血液検査の結果,著明な貧血を呈していた.赤芽球癆と診断しプレドニゾロン内服を行ったが改善せず輸血を繰り返した.シクロスポリンを導入し貧血の改善を認めた.赤芽球癆は胸腺腫にしばしば合併するが,胸腺腫摘出術後に発症をみることは稀である.術後経過観察において赤芽球癆の可能性も念頭に置く必要がある.
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© 2011 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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