日本呼吸器外科学会雑誌
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原著
間質性肺炎合併肺癌に対する周術期ステロイドとシベレスタットの使用経験
大内 政嗣井上 修平尾崎 良智藤田 琢也手塚 則明花岡 淳寺本 晃治北村 将司橋本 雅之
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2012 年 26 巻 5 号 p. 490-497

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抄録

特発性間質性肺炎(Idiopathic Interstitial Pneumonia:IIP)合併肺癌手術時に,術後急性増悪予防のためステロイドとシベレスタットナトリウムを使用した周術期管理を行い,その安全性と有用性を検討した.2005年1月から2010年12月までに手術を行ったIIP合併肺癌10例に対して麻酔導入直前と手術終了時にコハク酸メチルプレドニゾロンナトリウム250 mgを静脈内投与し,麻酔導入直前よりシベレスタットナトリウムを4.8 mg/kg/日で術後7日間持続点滴静脈内投与を行った.10例全例で縦隔リンパ節郭清を伴う胸腔鏡補助下肺葉切除術を施行した.1例で肝酵素上昇のためシベレスタットナトリウムの投与を術後3日目で中止した以外には有害事象は認めなかった.全例で術後のIIP急性増悪を含めた呼吸器合併症を認めず経過した.現時点で全症例において局所再発なく経過しており,この方法により十分に根治性のある手術が安全に施行可能であったと考えられた.

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