日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
3つの組織型を認めた異時性多発非小細胞肺癌の1切除例
岡田 晃斉佐々木 正人左近 佳代池田 岳史今村 好章
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2013 年 27 巻 2 号 p. 164-169

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抄録

間質性肺炎は肺癌発症の危険因子であり,異時性に肺癌が多発することもある.しかし,3つの組織型を発症した報告は稀である.今回,異時性に3つの組織型を発症した間質性肺炎合併肺癌症例を経験した.症例は66歳,女性.初回治療から約3年の経過で,扁平上皮癌,腺癌,大細胞神経内分泌癌の3組織型を認める肺癌を発症した.3回の手術加療を行い,現在再発巣に対し加療中である.間質性肺炎に肺癌が合併した場合,間質性肺炎の状態により治療戦略が限定される.間質性肺炎に肺癌が多発する事は広く知られており,厳重なフォローアップにより病変の早期発見に努める必要があると考えられた.

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© 2013 特定非営利活動法人 日本呼吸器外科学会
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