日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
背部弾性線維腫の1手術例
廣野 素子野中 誠氷室 直哉齊藤 光次門倉 光隆成瀬 博昭
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2013 年 27 巻 7 号 p. 837-840

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抄録

弾性線維腫は肩甲骨下や胸壁に好発し,緩徐に増大する良性腫瘍である.症例は61歳の男性.右背部の違和感ならびに腫瘤触知にて近医を受診,肩甲骨下部に発生した軟部腫瘍の疑いで当院へ紹介となった.胸部CT上,右肩甲骨下部の胸壁と広背筋の間に,内部に脂肪を含む筋肉と同吸収域の腫瘍を認めた.胸部MRIでは,同部位にT1・T2強調像ともに筋肉と等信号を示し,内部に一部高信号域がみられた.画像所見と発生部位より弾性線維腫を疑ったが,腫瘍径が大きく有症状であったため,全身麻酔下に腫瘍摘出術を施行した.病理学的には束状の膠原線維の増生が主体で,硝子様変化を示す部分が混在し,弾性線維腫の診断であった.本症は整形外科や形成外科領域での報告例が散見されるが,呼吸器外科医も臨床症状や画像所見から本疾患を念頭におくべきと考え報告した.

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