日本呼吸器外科学会雑誌
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症例
後縦隔に発生した非機能性巨大傍神経節腫の1切除例
藤原 俊哉西川 仁士小谷 一敏松浦 求樹
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2014 年 28 巻 2 号 p. 188-192

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抄録

後縦隔に発生した非機能性巨大傍神経節腫の1切除例を経験したので報告する.症例は28歳,男性.背部の圧迫感を自覚していた.検診にて左胸部異常影を指摘され,胸部CTで左後縦隔に10 cmの腫瘤を認めたため,当院に紹介となった.造影CTおよびMRIでは造影効果の強い腫瘤を認め,PET-CTでは高度の集積を認めた.傍神経節腫を疑い,内分泌検査を施行したが,すべて正常範囲であった.また,I123-metaiodobenzylguanidineシンチグラフィでは腫瘤に一致して取り込みを認めた.CTガイド生検にて傍神経節腫と確定診断された.第6肋間側方開胸で腫瘍摘出術を行った.腫瘍は易出血性であり,輸血を要した.術後3年で再発は認めていない.傍神経節腫はカテコラミンを産生する場合があり,安全な周術期管理のためには内分泌検査による機能性の有無の検索は必須であると考えられた.

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